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平安時代末期の武将・源義家像

 カルピスは、日本の近代が産み出した、代表的な発酵飲料です。「カル」という名は、当時の日本人に不足していたカルシウムを補う意図が込められています。そもそも、カルピスが登場した頃の日本は、昭和初期で、日本人には牛乳を飲む習慣がありませんでした。
 カルピスは保存に優れる濃縮液であり、①牛乳の保存性という問題、②輸送費用という経済性の課題、さらに栄養素の不足という3つの課題を解決するものです。
近代では、科学技術の発展により、感覚と伝承でしかなかった発酵を、個々の研究者が理論(仮説)立て、実験を繰り返すテーマに仕上げました。カルピスの二段階発酵は、そんな科学的な模索の中で生まれたアイデアです。
 戦前に本格化した微生物研究は、戦後になると大学や企業にも広がります。大学では農学部がその中心になりました。原始的な菌を含む、肉眼では見えない微小な生物、その微生物が、私たち人間の生命を根底から支えてくれています。

画像提供:エンザミン研究所;熟成中の有用菌生産物質「ENZAMIN」
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平安時代末期の武将・源義家像
画像提供:エンザミン研究所;熟成中の有用菌生産物質「ENZAMIN」